昆布のミライ研究所
近年、日本の技術で、昆布に含まれる成分から"糸"まで生まれています。
それなのに、昆布そのものは、海の変化でだんだん採れなくなってきている。
「無くしたくない」——そう思って、私はこの活動を始めました。
だから、あなたの本当の声を聞かせてください。
「昆布に対する意識と行動調査」
あなたの知の結集を、
このアンケートに込めてください。
私は、昆布の生産者でも、事業者でもありません。
ただの一般消費者であり、ファンです。
27歳のとき、銀座の街を歩いていました。その瞬間、はっきりと受け取ったのです。——「次の世代に、何を残すか」。これが、自分の人生のテーマなのだと。
「何を残せるだろうか」という、ぼんやりした問いではありません。そう生きると、決めた のです。当時独身だった私が。
それから今日まで、人生の岐路に立つたびに、私が自分に問うてきたのは、いつも同じことでした。——これは、人にとって良いことなのか。そして、地球にとって、良いことなのか。
少し、変わっているのだと思います。スマホの待ち受けは、地球の写真です。
子どもの写真を入れたことは、一度もありません。私はいつも、地球の側から物事を見てしまう。だからこそ、こんなにも多方面のことを、調べ続けているのだと思います。
その答えを探し続けて、52歳で、ようやく「昆布だ」と気づきました。
正直にお伝えすると、私は2021年まで、昆布を日高・利尻・羅臼の3種類しか知りませんでした。
真昆布さえ、知らなかったのです。
そこから、700人以上の経営者・一般消費者・個人起業家・昆布漁師さん・昆布事業者の方々にお話を伺って、確信しました。
昆布は、日本の宝です。

北海道・えりも岬の浜で。天日干しの昆布を背に。
私は、机の上だけで考えているのではありません。自分の足で、浜に立っています。
漁師さんと同じ潮風を受け、同じ海を見て、この宝の価値を、この目で確かめてきました。
私が直接伺ったり、お会いしたのは日高昆布漁師の方々だけなのですが、
それ以外の地域の漁師さんに関しては、電話やオンラインミーティングを通じて取材やこのような掲載の許可をいただいています。
羅臼の昆布漁。朝、旗が上がると漁が始まります。
提供(KOBUSTAY/@kobustay)

えりも岬の島々に住むゼニガタアザラシ。岩の上で気持ちよさそうに寝ている姿が印象的です。
撮影:大津庸子
昆布は、だしを取るだけの食材ではありません。昆布飴やおしゃぶり昆布といったお菓子にも、昆布シャンプーにも。
そして——実は、糸にもなっているのです。
私自身、今年の6月に昆布に関する物語を書いていた時にリサーチで気づき、心から驚きました。
昆布は地味に見えて、その可能性は思いもよらない広がりを見せています。
けれど、その面白さは、ほとんど知られていません。
そしていま、昆布は危機的な状況にあります。
海水温の上昇や磯焼け、担い手不足など、いくつもの理由が重なっています。
一方で、高い海水温に強い昆布の研究開発も、すでに始まっています。
それが世に出れば、昆布の歴史は大きく変わるかもしれません。
だからこそ、いろいろな分野の知恵を持ち寄って、この状況を一緒に考えていきたいのです。
あなたは、昆布がなくなったら困りますか?
まずは、その第一歩から。
昆布のミライ研究所は、 生産者・事業者・消費者 という三本柱の“あいだ”に立つ、ハブでありたいと思っています。
たくさんの情報を、きれいにまとめる。それは、いまのAIがもっとも得意とすることです。
そこにある「情報・ご縁・愛情・資金」のギャップを、埋める存在になりたい。
なぜ「研究所」なのか。それは、 所長である私が代替わりしても、
ずっと研究を続けて、昆布と地球の良きミライに向かって歩み続けていきたいからです。
入口は昆布というテーマですが、昆布から広がる可能性は、無限大だと信じています。
これから具体的に何をしていくのか。
すべてをここに書くには長くなりすぎるので、少しだけお伝えします。
全体像は、HPやnote、メールマガジンで、順にお伝えしていきますね。
そして大きく動くときには、何が最適解なのか - 皆さんと一緒に考えながら、進めていきたいと思っています。
いま、つくっている最中です
本当は、すべての方をこの足で訪ねて、お話を伺いたい。その思いを持ちながら、いまサンプルページが形になり、少しずつご案内を始めたところです。叶うなら、3年ほどかけて、掲載を許してくださった漁師さんお一人おひとりを、記録に残させていただけたらと思っています。
現役の漁師さんには、お使いの道具の一つひとつまで。そして「なぜ、その道具なのか」という理由まで伺って、残していきたいと思っています。そこにこそ、その人の昆布漁が宿っているからです。
いまも海に出て、天然の昆布を採る方々。使う道具の一つひとつに、その人なりの理由と工夫が宿っています。
昆布を育てて採る方々。天然漁との違いや、育て方の工夫を伺います。
海を退いてなお、その手と記憶に宿るもの。燻し銀の存在を、記録に残したい。
船に乗らずとも、正式な資格を持って浜で活躍する方々。女性が多く活躍されています。
一般には知られていない昆布漁の世界を、そのまま、知っていただきたいのです。

「漁師名鑑、婚活にも役立ちそうですね!」
——一般消費者の桐原幸来さん(東京都青梅市)
ただ、知られていないだけなのです。


星屑昆布おにぎりと塩ザンギセット(NewDays/2026年7月7日〜27日限定発売)
これは2026年7月、JR東日本の駅ナカにあるコンビニ「NewDays」で売られていたおにぎりです。
ここに使われている「星屑昆布」を作っているのは、私の知っている昆布漁師さんです。
それは、その方が何年もかけて積み上げてきたものの、ひとつの結果です。
2026年7月25日(土)、私はこのおにぎりを探して、3つのお店を回りました。
お茶の水には、置いてありませんでした。
予測していた通り、新宿で見つけることができました。棚には、6個ありました。
念のため、乗り換えのついでに町田も確認しましたが、こちらにはありませんでした。

お茶の水店(見当たらず)

新宿店(在庫6個)

町田店(念のため確認)
レジの方に、お伝えしました。
「この星屑昆布は、私の知り合いの昆布漁師さんが作っている昆布なんですよ」
すると、こう言ってくださったのです。
「そんないい情報を教えてくれてありがとう。私も帰りに買いますね!」
「はい、よろしくお願いします。」と私も頭を下げて挨拶をしました。
これが、私の日常です。特別なことは、何もしていません。
エステの施術をしてくださる方にも。温泉で出会った方にも。
外出先で誰かとお話しできるときには、昆布のことをお伝えしています。
知っていることを、目の前の一人に伝える。それだけです。
北海道の漁師さんが開発なさった昆布が、JR東日本の駅の構内にまで届いていた。
これが、どれほど尊いことか。
私は、喜びのサンバを踊りたいくらい嬉しかったのです。
でも、手に取った方は、昆布がいま危機にあることを、たぶんご存じない。
——そして、このおにぎりが売られていたのは、7月27日まで。期間限定の商品でした。
そのまま、静かに終わっていきます。
これが、「知られていない」ということです。
だから私は、正しく届けたいのです。
名鑑をつくりたいのも、皆さんの知恵を持ち寄りたいのも、ここに理由があります。
——昆布漁師という職業を、もっと価値あるスターに。
みんなで、していきませんか。
あなたのお立場によって、私が聞かせてほしいことは変わります。
だからアンケートは、消費者・生産者・事業者の3種類 に分かれています。
「これからも昆布を食べ続けたい」——その思いがあるなら、それを守るための知見を集め、一緒にムーブメントを起こしていけたら。まずは、あなたの声を聞かせてください。あなたの知を、この一歩に込めてください。
回答されたご希望の方へ:昆布の玉手箱(メルマガ)をお送りします。
どなたでもご参加いただけます
いまの現状、いま抱えている悩み、そして見据えている未来——どうか、本音でお伝えください。昆布を愛する消費者の皆さんが味方になってくださる協力体制を、私が主体となって築いていきます。あなたの現場を、決して一人にはしません。
ご希望の漁師さんは、いま制作中の「昆布漁師名鑑」へ。研究所のホームページから、あなたの誇りあるお仕事を世界へ届けませんか?
ご家族、元漁師の方、拾い昆布漁師の方も
事業体によって、抱える課題はまったく違います。何が最適解なのか、この変化の激しい時代に、誰にも分からないのかもしれません。だからこそ——昆布を間に置いて、これからどう未来を守り、事業も守っていくかを、一緒に考えませんか。どうか、リアルな現状を、本音で聞かせてください。
回答された事業者さまへ:ご希望の事業者さまには、昆布ニュース(メルマガ)のお届けと、昆布のミライ研究所HPの「昆布事業者名鑑」への掲載をいたします。
※漁業協同組合の皆さまも、こちらにお進みください。
漁業協同組合の皆さまも、こちらへ
私が、本当に見ているもの
2022年9月、パタゴニアが「地球が、唯一の株主だ」と宣言しました。
会社の利益を、地球環境を守るために注ぎ込む——そんな会社が、本当にあるのだと、私は震えました。そして同時に、心から嬉しかったのです。ここまで純粋に地球を思う企業が、この世界に存在するのだと。
創業者のイボン・シュイナードさんが何を考えているのか、私には分かる気がします。
私自身、登山をやってきて、自然の中で遊ばせてもらってきた人間です。
だから、「自然を守るために、道具をつくる」というあの思想に、深く共感するのです。
覚悟を決めたのは、2022年。52歳のときです。
「一般消費者でいるのは、やめよう」——そう決めました。
それから4年、昆布と向き合い続けて。
「もう、一切手を抜かない」とはっきり決めたのが、2026年の5月下旬です。
そこから全体の方針を定め、昆布のミライ研究所として、正式に航海を始めています。
たった一人から始まった、小さな船です。
それでも——目指すゴール、存在意義としての目標値は、パタゴニアなのです。
そして、そのために必要な時間は、きちんと100年単位で見据えています。
変化が激しい時代だからこそ、変わらないものを守り抜くことに、最大の価値がある。
日本には、100年以上続く企業が、世界で最も多いといわれています。
AIがどれだけ進化しても、決して凌駕できない領域がある。それが「伝統」であり、「時間の積み重ね」です。古き良きものを、大切に守り抜いてきた——その日本人としてのあり方に、私はもっと、誇りを持ちたいのです。
| 創業100年以上の企業 | 世界の 41.3% が日本。 世界第1位(2位・米国は24.4%) |
|---|---|
| 創業200年以上の企業 | 世界の 65% が日本。世界第1位(2位・米国は11.6%) |
| 世界最古の企業 | 金剛組(578年創業・寺社建築/ギネス世界記録認定) |
| 世界最古の宿 | 西山温泉 慶雲館(705年開湯・53代/2011年ギネス認定) |
出典:日経BPコンサルティング「世界の長寿企業ランキング」(2020年3月発表)/金剛組・慶雲館 各公式サイト(ギネス世界記録認定)
私が見ているのは、短期的な利益ではありません。いつも、長期的な未来です。
未来をどれだけ良くできるかは、いまの私たちの選択にかかっています。それは企業だけの話ではありません。一人の消費者であっても、同じです。かつて私も、ただの一人の消費者でした。だからこそ、断言できます。
一人の選択は、必ず未来を動かします。
——あなたは、どんな未来を、次の世代に残したいですか。
日本人の、もうひとつの強み
『チ。―地球の運動について―』。カタカナ一文字の、この不思議な題名。
じつは「チ」には、三つの意味が重ねられています。地球の「地」、血の「血」、そして知性の「知」。地動説という一つの真理をめぐる物語に、三つの「チ」が織り込まれているのです。
そしてこの物語が描くのは、何代にもわたって、一つの真実を託していく人々の姿です。
たどり着いた答えを、次の世代へ。そのまた次の世代へ。
自分の代では、報われないかもしれない。
それでも、託していく。
昆布もまた、世代を超えて守っていきたい食材です。
著者の魚豊(うおと)さんが、このテーマを選ばれた——その着眼点が、私は本当に素晴らしいと思います。
なぜ私が、昆布や「喜ぶ」といった言葉の重なりを、こんなにも面白がってしまうのか。
考えてみて、腑に落ちました。
日本語には、一つの言葉に幾重にも意味を込め、そこから問いを立て、深く考えていく力がある。
昆布と「喜ぶ」が、どこかで響き合っているように。
言葉に意味を重ね、問いを立て、深く考える。
それは、私たち日本人がもともと持っている力だと思うのです。
私は4年半、たった一人で昆布を調べ続けてきました。
おかげで、「これで解決できるかもしれない」という切り口を、いくつも集めることができました。
でも、一人にできることには、限りがあります。
本当に大切なのは、みんなの「集合知」です。
私たち日本人の知を、いえ、人間の英知を持ち寄れば、昆布が抱える問題も、
きっと解いていけるのではないか——私は、そう信じています。
——あなたなら、どんな知恵を持ち寄れますか。
「そういえば」と思い当たること。それも、立派な一つの知です。
フランスから、考える

フランスには、ブドウという第一次産業の恵みがあり、そこからワインという加工品が生まれ、その土地を訪ねる観光がある。
ブドウ・ワイン・土地・旅——それらが結びついて、一国の価値をつくっています。
フランスの人々は、ブドウとワインを心から誇りに思い、その知を、とことん深めています。
それでは、私たちの昆布はどうでしょう。
昆布という第一次産業の恵みがあり、だしや佃煮、そして糸にまでなる加工の広がりがあり、産地を訪ねる旅がある。
構造は、まったく同じです。昆布だって、負けていません。

フランスの食卓にて。
ワインと料理——土地の誇りが、暮らしのすぐそばにあります。
フランスにブドウとワインがあるように、
日本には、昆布があります。
だからこそ——私たちの集合知を、持ち寄りませんか。
昆布を真ん中に置いて、この国のほこりを、もう一度みんなで磨き直したいのです。
——私たちにも、世界に誇れるものがある。
そう思いませんか。
海を守るプロジェクト
ここまで、昆布の話ばかりしてきました。
けれど私が見ているのは、昆布だけではありません。
昆布と並行して、「海を守るプロジェクト」も行ってきました。
その中で、こんな仕事もしてきました。
環境省「ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業」の取組に、株式会社OLCが連携先として参画しました(北海道・島牧村/2022年)。国の公開資料に、 事業企画・ディレクター として社名が記載されています。

これは、名だたる大企業と肩を並べた、という自慢の話ではありません。小さくても、本気の人が集まれば、不可能は可能になる——その証拠の話です。
令和4年度、この事業に取り組んだのは、全国で7つの自治体。名を連ねるのは、
花王、パナソニック、ユニリーバ、そごう・西武——誰もが知る顔ぶれです。
その同じ一覧にあるのが、北海道・島牧村と、一緒に取り組んだチームの皆さんです。
| 自治体 | 連携先の企業・団体 |
|---|---|
| 岡山県 | 公益財団法人水島地域環境再生財団/一般社団法人MASC |
| 弘前市 | 弘前大学生活協同組合/株式会社ヨコタ東北 |
| 島牧村 ◀ 私たち | 合同会社テロワールリンク/ 株式会社OLC/matatabi records/北海道放送(HBC)/スリージャグズ(3JAGS) |
| 大阪府 | 一般社団法人大阪府トラック協会 |
| 広島県 | 株式会社そごう・西武(そごう広島店)/ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社/タメンタイ合同会社(アートマネジメント・クリエイター) ほか、メディア(在広民放局)・NPO団体・GSHIP参画企業 等 |
| 和歌山市 | 花王株式会社/加太・友ヶ島環境戦略研究会(KATIES)/株式会社テレビ和歌山 |
| 門真市 | パナソニック株式会社/タイガー魔法瓶株式会社/リネットジャパングループ株式会社 等 |
出典:環境省「令和4年度ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業 実施自治体」公開資料(島牧村の連携先は、公開資料の「他」を含むチーム構成を記載)
上記からわかることは、たった1つ。
本気の人が膝を突き合わせれば、一見難しく見えることも、可能になる。それを、昆布でも証明していきたい。
昆布を採る方。昆布を扱う方。昆布を食べる方。
そして、海と地域の未来を本気で考えておられる、すべての方。
どの立場から見える景色も、等しく大切です。
どうか、同じ土俵に乗ってください。
あなたの本音アンケートが、次の“可能性”を生みます。
どう伝えていくか
「昆布が危ない」「なんとかしなければ」——
そう言い続けるだけでは、心が疲れてしまいます。
だから私は、アートと音楽に希望を持っています。
島牧村のプロジェクトでは、海に流れ着いたプラスチックごみから、一台のスピーカーが生まれました。
「pure」と名づけられたそのスピーカーは、海を守りたいという想いを、音にして奏でます。
海を汚していたものが、海を守る音を鳴らす。
食べておいしい。参加して楽しい。見て美しい。
この三つを、いつも真ん中に置いています。
実は、「note創作大賞2026」に昆布の物語を2つ応募しました。
その中の1つに、「昆布ダンサーズ」という、歌って踊ってPRもできる3人娘を創作で登場させました。
AIを活用すれば、昆布のテーマソングを作ることもできます。
それぞれの「昆布を愛する歌」を、みんなで作ることだって。
私が考えた「昆布ダンサーズ」のプロモーション動画も、実際に作ってみました。
完璧なものではありません。
それでも、小さな一人の会社でも、やろうと思えば作れる——それが分かっただけで十分でした。
そういうことを、みんなが思い思いに、自由にやっていけたら——
面白いと思いませんか。
危機は、危機として知る。
でも、どう表現するかは、美しく、楽しく。
まったく違う発想で、世界にお届けするほうが、丸ごと伝わる。
私は、そう思っています。
なぜ、アンケートなのか
正直に、告白します。私はこれまで700人以上の方とお話ししてきたのに、
その声を「データ」として残してきませんでした。それが、大きな後悔です。
こちらで頂くアンケートは、皆さんの意識と行動が、これからどう変わっていくかを追う調査です。ご協力いただいた同じ方に、1年ごとを目安に、続けてお願いしていく予定です。
毎年、同じ質問を繰り返すのではありません。昆布の変化も、地球環境も、そのときの研究所も変わっていく。だからこそ、内容も1年ごとにアップデートしていきます。
なぜ、そこまで「調べる」ことにこだわるのか。
少しだけ、昔の話をさせてください。
私はかつて、大学院で物理の実験の研究をやっていました。追いかけていたのは、フラーレン(C60)という素材を使った実験です。炭素が60個、五角形と六角形を組み合わせて、サッカーボールのような形をした分子。その内部を、陽電子を使って調べていました。目で見ただけでは分からない、物質の内側を。
そのとき興味を持っていたのは、「同じ素材で、違う性質」ということでした。同じ炭素なのに、一方ではダイヤモンドになり、黒鉛にもなる。硬さも、形も、色も、性質も、用途も、まったく違うものがある。
一つの元素が見せる、その多様性に、私はずっと惹かれていたのです。
一つの素材から、多様な可能性が広がっていく。
——それは、昆布もまったく同じでした。
研究の対象は、炭素から昆布へと変わりました。それでも、確かな情報を積み重ねながら、未来の可能性を探りたいという研究者としての性分は、いまも変わっていません。
そしてもう一つ。私が大学院で専門にしてきたのは、じつは物理ではありません。
教育——人を育てることです。
次の世代に何を残せるかは、けっきょく「人」にかかっています。
人が、地球や昆布とどう向き合って生きていくか。それを考えることこそが、教育だと思っています。
だから私が見ているのは、昆布や海のことだけではありません。その昆布を扱う人、その家族、暮らす地域、そして100年先の世代まで。人と地球の営みが、どう続いていくか——
本気で守るなら、その変化を、きちんと追い続けていくしかない。1年ごとに続けるのは、そのためです。その積み重ねと、皆さんの生の声こそが、この活動のすべてです。
それから、もう一つ。
普通LPは「お読みいただける方の対象を、絞りなさい」と言われます。漁師さんには漁師さんの、事業者さんには事業者さんの悩みだけに応えなさい、と。
でも私は、あえてそうしませんでした。
抱えきれないほど大きなテーマだからこそ、漁師さんも、事業者さんも、まだ昆布の危機を知らない消費者の方も、みんなが同じ土俵に乗ってくださることに、意味があると思ったからです。
どなたに何をお届けするかは、アンケートのお答えの中身で、属性を分類させていただきます。
立場のちがう知恵が持ち寄られたとき、はじめて動くものがある。
このアンケートは、その実験でもあります。
昆布という食文化を皆さんと一緒に守っていくための、社会的な取り組みへのご協力依頼です。
あなたのご協力に、心より感謝いたします。
最初の一歩
立場をこえて、私たちの「集合知」を持ち寄りませんか。
あなたが昆布をどう感じ、どう動くか——その一つひとつが、
昆布の未来を解いていく、確かな手がかりになります。
さあ、同じ土俵で、一緒に考えていませんか。
どなたでもご参加いただけます
ご家族、元漁師の方、拾い昆布漁師の方も